写真による効果判定はむずかしい。
樹勢の判断は葉の色や大きさ・密度、枝の伸張量、花芽や葉芽の充実度、樹皮の状態や枯損部位などを見て行う。
しかし、たとえ施工時と現在を比較して樹勢が良くなったと判断ができたとしても、それが樹勢回復作業の効果なのか、単に成長や季節変化または気候変動の影響によるものなのかの見分けはむずかしい。
特に成長や衰退の変化の著しい時期(春や秋)などは数日で樹木の印象に違いが出てしまうし、剪定されてしまうと経過を追うのがむずかしくなる。
東京都中央区晴海 オフィスビル(シダレザクラ)
植栽後5年ほど(元請けから聞き取り)で活着が悪いようであった。シンボルツリーになるような位置に植栽されている木だが、移植後に樹勢衰退が発生したようで葉が少いだけでなく、枯れたためにブツ切りにされたと思われる枝が見える。良く回復しているのがわかる。
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神奈川県川崎市 マンション(アカエゾマツ)
色の善し悪しは季節的な変化が大きいはずで、場合によると光の状態ということもある。春と夏の比較だと夏の方が色が良いのは当たり前とも言える。
この木は北方の木なので気候上の不安もあるが、葉の密生度は増しているので今後に期待したい。植栽土壌はガラが多く非常に固結していた。(常緑樹)- ※画像クリックで大きく見られます。
東京都千代田区神田 複合ビル(タブノキ)
施工時には「ほとんど枯れている」と言えるほどであった。タブノキは強く東京地方の気候に適している木であるのに、なぜこんなに悪くなったのだろう。諦めながら施工していたが8月には勢いの良い胴吹きが多く出ている。
冬と夏の季節的な違いはあるが、それを越えて、これなら本当に立ち直るかも知れないと期待する。(常緑樹)- ※画像クリックで大きく見られます。
神奈川県川崎市麻生区 マンション(ロードレア)
ロードレアはロドレイアとも呼ぶらしい。はやりの木なのだろうか、インターネットによると温暖な気候を好む丈夫な木らしい。
ここの植栽地の土壌はガラを多く含み、極端に固結していた。(常緑樹)- ※画像クリックで大きく見られます。
宮城県仙台市 ホテル入口(ケヤキ)
仙台市はケヤキで有名。入口付近のシンボルツリーにしたかったのだと思うが成長不良が続いていたようだった。ファインノズルで噴出してくる土は建設用の砂が多かった、水はけが良いようにとの配慮があったかも知れないが、成長不良の原因は植栽土壌に多く含まれる砂だと思う。(落葉樹)
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