レジストグラフ


― システムと診断例 ―

レジストグラフ-サクラ

細い針を回転させながら樹木内に貫入させ、
貫入抵抗を計測することにより材の健全度を測る機械です。

システム

レジストグラフによる診断は手早く確実性が高いが、針を樹体内部の深いところまで貫入させて穴を開けてしまうことから、腐朽を拡散させてしまうのではないかと危惧されている面もある。

どんな針を使うか
  • 直径1.5㎜の金属の針金(たぶんピアノ線)を使い、その先端を平らに伸ばし、長径を約3㎜にしたもの
  • 使用する針の長さは、機種・型番によりまちまちだが、現在日本では50~60㎝の深さまで測定できるものが主流になっている
どのような抵抗を計測するのか
  • 回転抵抗と前進抵抗の両方を測る(M型とF型は回転抵抗だけを測定していた)
  • PDと呼ばれる機種が登場してからfeedと呼ばれる前進抵抗も測れるようになり、現在ではそれが主流になっている
どのように解析をするのか
  • 健全な材は回転抵抗と前進抵抗の両方を適度に示すが、どちらかの抵抗が低くなったり、両方とも低くなったり、又はなくなったりする
  • 両方の抵抗値を勘案しながら、総合的に判断する
どのような診断方法があるのか
  • 生きた樹木を診断する方法として、腐朽(水平貫入)診断と呼ばれるものと根株(傾斜貫入)診断と呼ばれるものがある
  • 腐朽診断は外観診断により内部の腐朽が疑われる場所に、水平に針を貫入させる方法をいう (幹に対しては直角に貫入する)
  • 根株診断は根株に対して斜めに針を貫入させる方法をいう (その目的は、倒木の多くが根返りや、根株における空洞や腐朽によるものであることから、地下にある根株の腐朽の状態を計測しようとするもの)

診断例

2018年7月23日
ソメイヨシノ

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        2017年12月20日
        プラタナス

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              2016年5月26日
              イチョウ

              この程度の腐朽空洞率で伐採されることはめずらしい。危険性の問題ではなく、改築の都合により伐採された。

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                    resisto-s

                    2016年10月
                    イチョウ(街路樹)

                    診断結果:腐朽空洞率8.1%(健全か健全に近い)
                    「測定位置付近において強度上の問題はほとんどない。」

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