樹木内での音波又は超音波の伝わり方を解析して
樹木断面の様子を平面として描き出すシステムです。(日本製)
システム
- どんな音(発振)を使うか
- セラミック製の振動子を用いて電気的に発生させた、疑似ランダム波と呼ばれる連続音
- 同様のパターンで複数回発振させた音(通常4回を使用)
- 機械的に周波数を制御した音(1kHz~78kHzを選択できるが、通常10kHz~39kHzを使用することが多い)
- 20kHz以上は超音波と言われる領域の音。周波数が高いほど小さい傷も見つけることが可能だが、遠くまで届きにくい欠点がある。そのために同じパターンで複数回の発振を行い、のちに足し合わせることにより増幅する。
木槌などによる打撃音は4~5kHz程度といわれている。
- どのように受信するか
- 発振する振動子以外の振動子(センサーと呼ぶ)で受信(通常16個のセンサーを使用し、発振以外の15個で受信)
- どのように解析するか
- 受信した音をセンサー(振動子)で電気信号に変換し、デジタル情報にしてパソコンに取り込む
- 測点間の距離と音の到達時間から速度を求める
- なぜ小さな連続音から音の到達時間を割り出せるのかは物理学の知識が必要で私には理解しきれないのだが、次のようなことであるらしい。
発振した擬似ランダム波のパターンは分かっているので、発振音と受信音の相関関数計算を行って作られる波形から、音の到達時間とエネルギーの大きさを知ることができる。
そして連続波であるために打撃音のような瞬間的に発せられる音と比較すると、全体のエネルギーを大きくすることができるため、結果として打撃音よりも遠くまで音を伝播することができる。(徳江)
- 断面をメッシュに区切り、そのメッシュ内の速度を求める
- 波線が存在しないメッシュは統計学的手法を用いてその速度を求めて平面上に表現する